問 題
我が国における耕地の利用と栽培管理に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.同一の耕地に異なる種類の作物を短い間隔で続けて栽培することを連作という。イネ科作物やマメ科作物は連作に比較的強いものが多い。
2.田畑輪換は、夏作に水稲を栽培し、冬作にコムギなどの畑作物を栽培することをいう。田畑輪換畑の土壌の物理的特性として、一般に、排水性が良いことが挙げられる。
3.混作とは、異なる種類の作物を同じ圃場で栽培時期をずらして栽培する方法であり、主作物としてイネ科牧草、副作物としてマメ科牧草を栽培することが多い。
4.マリーゴールドやクロタラリアは、休閑期に栽培することでウイルスの生息密度を低下させることができる植物として知られている。このような効果を持つ植物をカバークロップという。
5.緑肥は、植物体が腐る前に土壌中にすき込んで肥料とするものをいう。窒素含量に対する炭素含量の割合(C/N 比)が高い緑肥作物をすき込んだ場合、一時的に窒素不足になることがある。
解 説
選択肢 1 ですが
連作は、同一の耕地に「同じ種類」の作物を続けて栽培することです。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
前半部分について、田畑輪換は「数年ごとに水田状態と畑状態とを交互に繰り返して農地利用すること」です。夏に水稲、冬にコムギ栽培するのは「二毛作」です。後半部分の記述は妥当です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
「異なる種類の作物を同じ圃場で栽培時期をずらして栽培する」のは「輪作」です。混作は「同じ圃場で 2 種類以上の作物を同時栽培」することです。生物的防除の一つとして活用されており、トマトとトウガラシの混作でトマトの青枯病が抑制される事が知られています。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
マリーゴールドやクロタラリアは、一部のセンチュウの発生を抑制することが知られていますが「ウイルスの生息密度を低下させる」わけではありません。選択肢 4 は誤りです。
ちなみに、カバークロップは「肥料的効果に加え、表土流出による土壌侵食防止効果もあるような緑肥」です。マリーゴールドやクロタラリアがカバークロップの一種であるというのは妥当な記述です。
選択肢 5 は妥当です。
緑肥についての記述です。
以上より、正解は 5 です。

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