公務員試験 2019 (R1) 年 国家一般職 (農学) No.36 解説

 問 題     

家畜の繁殖や品種改良に関する記述 A ~ D のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A.ニワトリが産卵をやめ、卵を抱いて雛を孵化し育てる性質をカンニバリズムという。古い羽毛が抜け新しい羽毛に換わることを換羽といい、成鶏では、換羽が始まると産卵数が増加する。

B.乳用牛は、通常は生後 10 か月頃から繁殖に用いる。発情周期が正常で、生殖器にも異常はないのに交配しても受胎しない雌牛が見られることがあり、これはフリーマーチンと呼ばれる。

C.種雄牛候補の産肉能力の検定方法には、超音波でその肉質判定を行う直接法と、一定期間、同じ飼育条件下で検定用飼料を与えて飼育し、種雄牛候補の増体重を調査する間接法とがある。

D.肉用子牛の増頭のため、キャトル・ブリーディング・ステーション(CBS)の活用や乳用牛への黒毛和種受精卵の移植などが行われている。CBS では、繁殖雌牛の分べん・種付けや子牛の哺育・育成が集約的に行われている。


1.B
2.D
3.A、B
4.B、C
5.C、D

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

記述 A ですが
ニワトリが産卵をやめ、卵を抱いて雛を孵化し育てる性質は「就巣性」です。カンニバリズムは、ニワトリの仲間同士がお互いをつついたり、羽毛を抜いて食べたりすることです。記述 A は誤りです。


記述 B ですが
乳用に飼育される牛は、生後 13 ~ 16 ヶ月で繁殖に用いられます。「生後 10 ヶ月」は少し早いです。また、フリーマーチンとは、異性多胎 (オスとメスの双子) メスが不妊になる現象です。記述 B は誤りです。


記述 C ですが
複数の種雄牛候補牛を同じ飼育条件下で飼育して増体重等を判定するのが「直接法」です。候補牛自身の能力を直接的に判定するので直接法といいます。「間接法」は、種雄牛の子牛を用いた能力検定です。記述 C は誤りです。


記述 D は妥当です。
キャトル・ブリーディング・ステーションとは、子牛の哺育・育成や雌牛の繁殖・分娩等を集中管理するための共同利用施設です。


以上より、正解は 2 です。

コメント