公務員試験 2019 (R1) 年 国家一般職 (農学) No.24 解説

 問 題     

次は、育種に関する記述であるが、A~D に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

異なる品種 (又は系統) 間の交雑に由来する雑種世代において、個体間で連続的な変異を示す形質を A という。A において、遺伝子座が異なる遺伝子間で交互作用がある場合、その効果を B という。

トウモロコシなどで、近交系統間や品種間で交雑を行った場合に、その子供である一代雑種 (F1) が両親よりも全体に強勢になる現象をヘテロシスという。トウモロコシの F1 品種の種子生産のための近交系統間の交雑様式としては、単交雑、三系交雑、複交雑などが知られており、このうちC では一般に、ヘテロシスが強く現れる。

また、トウモロコシの F1 品種の種子生産のための親系統の育成には、望ましい遺伝子を集結させる D が利用される。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

A ですが
「個体間で連続的な変異を示す形質」は「量的形質」です。不連続な変異を示す形質が質的形質です。正解は 1 ~ 3 です。


B ですが
遺伝子座が異なる遺伝子間で交互作用がある場合、その効果を「エピスタシス」といいます。これにより C は単交雑です。単交雑は 2 つの異なる品種を交配させる方法のことです。

また、D は循環選抜法です。循環選抜法は、選抜と交雑を繰り返すことで目的の形質を持つ個体を効率的に育成する という方法です。

ちなみに、アポミクシスは広義には無性生殖全般をさします。狭義には、減数分裂および配偶子合体を行なわずに形成された胚をもつ種子で植物が増殖する生殖様式のことです。


以上より、正解は 1 です。

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