公務員試験 2019 (R1) 年 国家一般職 (農学) No.18 解説

 問 題     

果樹及び果実の特徴に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.胚珠が発達して出来た果実を真果、花床やその周りの組織が発達して出来た果実を偽果という。リンゴ、ニホンナシ、ブドウは偽果である。

2.受精せずに果実と種子が形成される現象を単為結果といい、ウンシュウミカン、イチジクなどで見られる。単為結果がなく雌雄異株のニホンナシでは人工授粉が行われる。

3.芽の中に花原基と葉枝が含まれるものを純正花芽という。また、果実が着生する新梢を結果母枝といい、結果母枝を出す前年枝を結果枝という。

4.ニホンナシの花芽は、今年伸びた枝の腋芽として分化し、短果枝の頂芽は葉芽となる。我が国では台風による落果を防ぐために棚仕立てで栽培されており、X 字型整枝や H 字型整枝が用いられている。

5.モモの花芽は、今年伸びた枝の腋芽として分化する。葉芽は、花芽と並んで腋芽としてつくか、短い枝では先端だけにつく。果実は、前年伸びた枝についた花芽が結実したものである。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
真果は「子房」が発達して果実になったものです。胚珠ではありません。選択肢 1 は誤りです。ちなみにですが、リンゴ、ナシは偽果です。ブドウは真果です。


選択肢 2 ですが
単為結果とは、植物において受精なしで子房が発育して果実が形成される現象です。通常、単為結果でできた果実は種子を含みません。「受精せずに果実と種子が形成される」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
純正花芽は花原基のみが含まれます。葉枝が含まれるものは混合花芽です。また、そこに花が咲き、実を結ぶ枝が「結果枝(けっかし)」です。結果枝と結果母枝の記述が逆です。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
ニホンナシにおいて、短果枝の頂芽は花芽です。葉芽ではありません。また、X 字型整枝や H 字型整枝はブドウ栽培で用いられる樹形です。ナシではありません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は妥当です。
モモに関する記述です。


以上より、正解は 5 です。

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