公務員試験 2019年 国家一般職(行政) No.42解説

 問 題     

我が国の財政の現状に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.我が国の一般会計当初予算の規模は,平成 30 年度は約 98 兆円で,厳しい歳出削減の努力もあり平成 29 年度よりも若干減少している。一般会計当初予算の規模は,平成 20 年度から平成 27 年度までは 100 兆円を上回っていたが,平成 28 年度から平成 30 年度までは 100 兆円を下回っておりかつ 3 年連続で前年度比がマイナスとなっている。

2.平成 30 年度の一般会計当初予算の歳入についてみると,租税及び印紙収入が約 59 兆円となっており,このうち所得税が法人税や消費税よりも大きな額を占めている。また,所得税,法人税及び消費税の合計は 50 兆円を下回っている。

3.平成 30 年度の一般会計当初予算の歳入のうち公債金は 4 割を超えており,また,公債金のうち特例公債は 4 条公債(建設国債)の 1.5 倍程度の規模となっている。さらに,公債発行額を一般会計歳出総額で除した数値である公債依存度を当初予算ベースでみると,平成 25 年度から平成 30 年度まで,前年度比で上昇傾向で推移している。

4.国の普通国債の残高は,平成 28 年度末(実績)で約 830 兆円となっており, 4 条公債(建設国債)の残高と特例公債の残高の比率はおよそ 6 対 4 となっている。また,この普通国債残高に特別会計の借入金などを加えた国の長期債務残高と地方債をはじめとする地方の長期債務残高を合計すると,平成 28 年度末(実績)で 1,300 兆円を超えている。

5.平成 30 年度の一般会計当初予算の歳出についてみると,社会保障関係費は平成 29 年度当初予算と比較して若干のマイナスとなったものの,30 兆円を上回る水準となっている。またその内訳をみると,医療給付費が 15 兆円程度で最も大きな額となっており,年金給付費の 2 倍以上の水準である。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
平成 30 年度は、平成 29 年度よりも若干「増加」です。減少ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。

選択肢 3 ですが
公債金の割合は 3 割強です。4 割を超えてはいません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
4条公債残高と特例公債残高の比率はおよそ 1:2です。特例公債残高の方が2倍程度多くなっています。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
年金と医療が共に 12 兆円弱で、同額程度という内訳です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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