問 題
コンクリートに関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ 高強度コンクリートは、設計基準強度が高く、水セメント比も大きいため、トンネルの吹付けなどに使用される。
㋑ 早強(そうきょう)ポルトランドセメントは、水和反応時の発熱がやや小さく、ひび割れを軽減できるため、ダムなどのマスコンクリートに使用される。
㋒ 高炉セメントは、初期強度の発現が遅いが、塩類、酸性水、海水などに対する化学抵抗性が優れており、港湾施設などに使用される。
㋓ 寒中コンクリートは、凍害による品質低下を防ぐため、日平均気温が 4 ℃ 以下になることが予想されるときに使用される。
1.㋐、㋒
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
解 説
㋐ ですが
水セメント比とは、練り混ぜた直後のコンクリートやモルタルに含まれる水とセメントの比率です。W(水)/C(セメント) で表されます。「W/C が大きい」とは水が多く含まれるということです。圧縮強度は「減少」します。
そして、高強度コンクリートの特徴は、使用するセメント量が多く、水を極端に少なくするという点です。そのため、水セメント比は小さくなります。記述 ㋐ は誤りです。
㋑ ですが
まず、ポルトランドセメントとは、いわゆる普通のセメントのことです。普通のセメントは1:セメントの原料(石灰石、粘土等)を回転式の釜に入れて焼いた後に急冷 → 2:1の結果できたたくさんの小さな塊(クリンカー:焼塊)に適量の石膏を加え粉砕して作ります。
クリンカーを構成する主要鉱物が ① エーライト (C3S)、 ② ビーライト. (C2S) 、③ アルミネート (C3A)、 ④ フェライト(C4AF) です。C は CaO、S は SiO2、A は Al2O3、F は Fe2O3 の略です。
そして、早強ポルトランドセメントは、エーライト(C3S)の配合比率を高めたセメントです。特徴はその名の通り、早く強度が発現するということです。かつ、長期強度が維持されます。水和熱による発熱が大きく、低温時でも強度発現が良好であるという点も特徴的です。「水和反応字の発熱がやや小さく」という点が誤りです。
㋒、㋓ は妥当です。
高炉セメント、及び、寒中コンクリートに関する記述です。
以上より、正解は 5 です。
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