公務員試験 2019年 国家一般職(土木) No.34解説

 問 題     

橋梁の架設方法に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち下線部が妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ ベント工法とは、架設する橋桁をベントで仮受けしながら部材をクレーン等で吊り上げ、組み立てていく工法で、架設設備が比較的少なく現場条件に制約もないことが特徴である

㋑ 片持ち式工法とは、既に組み立てられている橋桁部分を利用して架設しようとする橋桁を先端に継ぎ足して、逐次突き出していく工法で、設計では架設時の応力やたわみを考慮する必要がある

㋒ 押出し工法とは、橋台後方の製作ヤードで橋桁をブロックごとに製作し、順次送り出し架設する工法であり、仮支柱等が不要なため支間長が100~250 m の橋梁の架設に適している

㋓ ケーブル式工法とは、橋台付近に建てた塔から張られたケーブルに部材を吊りながら架設する方法で、深い谷間での架設に適しているが、架設中の変形が大きく、不安定な状態での期間が長くなる


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

㋐ ですが
記述前半は妥当です。ベント工法は、仮設した鋼製脚 (ベント) で仮受けしながら部材をクレーン等で吊り上げ、組み立てていく工法です。

記述後半ですが「現場条件に制約もない」わけではありません。河川など、クレーンやベント設置が難しい場合に適用できない工法です。㋐ は誤りです。


㋑ は妥当です。
片持ち式工法についての記述です。「既に組み立てられている橋桁部分を利用して架設」とは、例えば架設する橋の上に設置するトラベラークレーンなどを用います。


㋒ ですが
→□、 →□□、→□□□、… というイメージで押し出していくので「途中途中に仮支柱は必要」です。㋒ は誤りです。


㋓ は妥当です。
ケーブル式工法についての記述です。


以上より、正解は 5 です。

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