公務員試験 2019年 国家一般職(土木) No.28解説

 問 題     

ある地盤からサンプリングにより土を採取したところ、土粒子の密度が 2.6 g/cm3、湿潤密度が 1.8 g/cm3、含水比が 25 % であった。この土の間隙比はおよそいくらか。ただし、水の密度は 1.0 g/cm3 とする。


1. 0.91
2. 0.81
3. 0.71
4. 0.61
5. 0.51

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

【土についての基本知識】
土が出てきたら、土は固体、液体、気体の混合物 が基礎知識です。固体部分が「土粒子」、液体部分が「水」、気体部分が「空気」です。それぞれの部分の質量と体積を分けて考えるのが基本です。ただし、空気部分はすごく軽いので、質量は考えません。

よく出てくる添字の 「s」 は solid、soil の略 で固体、「w」がwater の略で液体、「a」が air の略で気体部分のことです。また 大文字の V は体積です。W は重量です。


【間隙についての基礎知識】
添字 v は「vacancy」の略で「間隙」を意味します。間隙とは、土における固体部分を除いた部分のことです。「間隙の体積」を記号で表すと 「Vv = Va + Vw」 です。間隙比 e = Vv/Vs です。


【含水比の基礎知識】
含水比とは、水の重量(Ww) を固体の重量(Ws)で除して、物質に含まれる水分の割合を示したものです。主に土壌学において使用されます。式で表せば、含水比Ww/Ws × 100 です。「水部分の質量/土粒子の質量 × 100」ということです。


具体的な値で考えるとわかりやすいです。含水比 25% に注目し、水の質量 Ww = 25g とします。すると、間隙の質量 Wv も 25g です。また、固体部分である土粒子の質量は Ws = 100g です。

土粒子の密度が 2.6 g/cm3 なので、土粒子の体積 Vs = 100 ÷ 2.6 ≒ 38.5cm3 です。水粒子の体積は 水の密度が 1.0 g/cm3 なので、Ww = Vw = 25cm3 です。


湿潤密度が 1.8g/cm とあるので土全体の 質量が 100 + 25 = 125g だったことから、土全体の体積は 125 ÷ 1.8 ≒ 70cm3 です。これにより、全部分の体積がわかります。全体の体積が 70、固体部分が 38.5、水部分が 25 なので、気体部分の体積 Va = 70 – (38.5 + 25) = 6.5 cm3 です。従って、間隙の体積 Vv = 6.5 + 25 = 31.5 cm3 となります。 


求める間隙比は e = 31.5/38.5 です。大体 0.8 です。最も近い値は 0.81 です。


以上より、正解は 2 です。

類題 H26 no28
https://yaku-tik.com/koumuin/h26-doboku-28/

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