問 題
図のように、材質がそれぞれ一様で断面積は互いに等しい棒 AB、棒 BC が固定壁間に隙間なく接合されている。AB、BC の境目にある点 B の断面中心に軸方向荷重 P を右向きに作用させたとき、AB に作用する軸力の大きさとして最も妥当なのはどれか。
ただし、AB、BC の自重及び P による断面積変化は無視でき、AB、BC のヤング係数をそれぞれ E1、E2、長さをそれぞれ L1、L2 とする。
解 説
【ひずみに関する基礎知識】
力を加えて、元々 長さ l の物体が Δl 伸びた時、ひずみ ε を Δl/l で表します。この時、E をヤング係数(ヤング率)として、σ = Eε が成立します。σ は軸応力です。軸方向力を P、断面積 A とすると、軸応力 σ は P/A です。
本問では 棒 AB が伸び、棒 BC が縮みます。この時の変化量を Δl とします。また、壁の両端における反力をそれぞれ PA、PB とします。すると P = PA + PB …(1) です。
棒 AB のひずみは εAB = Δl/L1
棒 BC のひずみは εBC = Δl/L2 です。
軸応力の式を変形すれば P = Aσ なので PA、PB はそれぞれ
PA = AE1ε = AΔl × E1/L1
PB = AE2ε = AΔl × E2/L2 と表せます。AΔl は共通なので
PA:PB = E1/L1:E2/L2 です。内項の積=外項の積なので
PA × (E2/L2) = PB × (E1/L1)…(2) です。
(1) より PB = P – PA を代入して整理すれば
PA = (E1L2/(E1L2 + E2L1) P となります。
以上より、正解は 4 です。
類題 H26 no23
https://yaku-tik.com/koumuin/h26-doboku-23/
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