公務員試験 2019年 国家一般職(土木) No.17解説

 問 題     

理想気体の仕事と内部エネルギーの変化に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図のような P – V  線図上の線分 AB に沿って、一定量の理想気体が状態 A から状態 B へゆっくりと変化したとき、この気体が外部にした仕事 W は、W = ㋐ となる。また、このとき、この気体の内部エネルギーは ㋑。」

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

㋐ ですが
P-V グラフ
では、囲まれた部分の面積が仕事になります。これは基礎知識です。本問では「囲まれた部分」がないため、少し工夫をします。状態 A から V を固定して圧力 0 にした点を A’、状態 B から V を固定して圧力 0 にした点を B’ とします。

A → A’、B → B’ の状態変化では 体積が変化しておらず、仕事 0 です。また、A’ → B’ への状態変化では圧力が 0 なので、やはり仕事 0 です。すると 本問で求める仕事は「A’ → A → B → B’ → A’」で囲まれた部分の面積と考えることができます。台形の面積を求めると 18 p0v0 です。正解は 3 or 4 です。

㋑ ですが
気体の内部エネルギーは、温度依存です。つまり、温度が変化しなければ変化せず、温度が上がれば増加、下がれば減少です。

理想気体の状態方程式より、pv = nRT です。pv を状態 A,B について読み取ると 状態 A では 10p0v0、状態 B では 8p0v0 です。減少しています。状態 A → 状態 B で 温度 T も低下です。結果、内部エネルギー U も減少とわかります。


以上より、正解は 3 です。

コメント