2019年 国家一般職(電気・電子・情報) No.23解説

 問 題     

図のように、磁性体に導線が一様に巻かれた環状コイルがある。コイルの平均半径を R、磁性体の断面の半径を r、コイルの巻数を一定とするとき、このコイルの自己インダクタンス L に関する記述として最も妥当なのはどれか。ただし、R は r より十分大きいものとし、磁束は磁性体の外部に漏れないものとする。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

環状ソレノイドが出てきたら、内部の磁界の強さ H = NI/2πr ・・・(1) をまずは思い出します。本問では 小文字でなく 大文字の R が (1) の r と対応します。

次にインダクタンスについて「電流流れて磁界発生 回路をどれだけ磁束が貫くかを考える」が基本です。

「磁束」に至るまでの流れは
・磁束密度 B について
材料の透磁率 μ として B = μH

→ 貫く断面積を S とする。
本問の環状ソレノイドでは S = πr2
磁束 Φ (ファイ) = B × S ・・・(2) となります。

「コイル全体をどれだけ磁束が貫くか」を表す「磁束鎖交数 Ψ (プサイ)」 について、環状ソレノイドでは NΦ です。Ψ = LI とした時の L が自己インダクタンスとなります。


以上をふまえると、
環状ソレノイドの自己インダクタンスは、式 (1) の所で R が分母に出てきて、R と自己インダクタンスは反比例の関係となります。つまり、R が ◯ 倍になると、自己インダクタンスは 1/◯ 倍です。

また、式 (2) の所で r が関係して、r の 2 乗と自己インダクタンスが比例します。つまり、r が △倍になると、自己インダクタンスは △2 倍になります。

従って
選択肢の中で妥当な記述は「R を 2 倍にしたとき、L は1/2 倍になる」です。


以上より、正解は 2 です。

類題 H29 no23 相互インダクタンス
https://yaku-tik.com/koumuin/h29-denjyou-23/

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