問 題
ガス吸着に関する用語とその説明の組合せとして、誤っているものはどれか。
- (用語)：(説明)
- 吸着等温線：一定温度におけるガス濃度と、そのガス濃度と平衡な吸着量との関係を表すもの
- ラングミュアーの式：吸着層が単分子層から成るものと仮定して導かれた式
- 脱着：被吸着物質が吸着剤から脱離して気相に出てくること
- 破過曲線：充塡層出口流体中の被吸着物質濃度の時間変化曲線
- 破過点：充塡層出口の被吸着物質濃度が充塡層入口濃度に達した点
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。吸着等温線は、一定温度におけるガス濃度(分圧)と平衡にある吸着量の関係を表すものです。
(2)も正しいです。ラングミュアーの式はガス吸着における吸着等温線を表す式で、以下のように表されます。この式は、吸着層が単分子から成るという仮定の下で成り立つ式である点に注意してください。
- q：pと平衡な吸着量 [kg/kg]
- p：ガス分圧 [Pa]
- a、K：定数
(3)も正しいです。脱着は、被吸着物質が吸着剤から脱離して気相に出てくることをいいます。
(4)も正しいです。破過曲線は、吸着剤を充塡した層に吸着される物質を含む流体を流したときの、充塡層出口流体中の被吸着物質濃度の時間変化曲線をいいます。
破過曲線を図示すると、下図のようなグラフになります。
(5)が誤りです。(5)の「充塡層出口の被吸着物質濃度が充塡層入口濃度に達した点」は上図のグラフの右上に位置しますが、破過点は上図の赤色で示した通り、破過曲線において急激に上がり始める点を指します。
ガス吸着において、正常に機能している間は充塡層で有害物質をトラップできるので、層出口で吸着質は残っていません(上図グラフの左側)。
しかし、運転をしばらく続けていると充塡層が吸着飽和に達し、効果を発揮しなくなります。すると、それを境に層出口で吸着質の濃度が急激に上がってきます。そのことを破過といい、グラフ上の点を破過点といいます。
以上から、正解は(5)となります。
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