R7年 大気有害物質特論 問3 問題と解説

 問 題     

ガス吸収装置とその方式の組合せとして、誤っているものはどれか。

  • (装置):(方式)
  1. スプレー塔:円筒形の塔の底部からガス分散器によって、ガスを塔内の液中に連続的に吹き込んで接触させる方式
  2. 段塔:塔内に多数の棚段を設け、その段上でガスと液の接触を行わせる方式
  3. サイクロンスクラバー:円筒状の塔内を旋回上昇するガスと、塔中心の垂直管の多数の噴霧孔から半径方向に噴霧される液滴とを接触させる方式
  4. ベンチュリスクラバー:スロート部(細くなる部分)周辺から管内を流れるガス中に液を噴霧する方式
  5. ぬれ壁塔:垂直円管の内壁に沿って液を液膜状に流し、管中心部を上昇するガスと接触させる方式

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

この問題は、一見すると各ガス吸収装置の特徴を詳しく知っておく必要がありそうですが、誤りを見つけるだけなら、そこまでの精度は必要ありません。基本的事項さえ知っていれば正解できる問題です。

各種ある吸収装置には大きく分けてガス分散形と液分散形の2つがありますが、その分類は次のようになっています。これは重要事項として押さえておくべき知識です。

ガス分散形:

  • 段塔 …選択肢(2)
  • 気泡塔
  • ジェットスクラバー
  • 漏れ棚塔

液分散形:

  • 充塡塔
  • 流動層スクラバー
  • サイクロンスクラバー …選択肢(3)
  • ベンチュリスクラバー …選択肢(4)
  • スプレー塔 …選択肢(1)
  • ぬれ壁塔 …選択肢(5)
  • 十字流接触装置

ここで各選択肢を読むと、(1)ではガスを吹き込んでいて、(3)~(5)はいずれも液を噴霧しています。しかし、上記の通り(1)のスプレー塔は液分散形なので、ガスを吹き込むのではなく液を噴霧するはずです。

このように考えると、(1)が誤りであると判断することができます。実際には、(1)の説明文はガス分散形の「気泡塔」を表しています。

以上から、正解は(1)となります。

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