R7年 大気特論 問9 問題と解説

 問 題     

石灰スラリー吸収法排煙脱硫装置における運転トラブルとその要因の組合せとして、誤っているものはどれか。

  • (運転トラブル)       (考えられる要因)
  1. 排ガス通風圧力損失の増大  ガス流路への固形物の付着
  2. 脱硫率の低下        吸収液のpH上昇
  3. 吸収液の流量の低下     流量調節弁の閉塞
  4. 副生物の品質の低下     排ガス中のスート量増加
  5. 装置材料の損傷       設計温度を超えた運転

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。ガス流路への固形物の付着が生じるとガス通路が狭くなるため、排ガス通風圧力損失は増大します。

(2)が誤りです。SO2は酸性ガスなので、吸収液のpHが高いほど吸収性は良くなります。そのため、吸収液のpH上昇によって脱硫率の「低下」ではなく「上昇」します。

(3)は正しいです。流量調節弁が微細な固形物などによって閉塞すると、その分だけ吸収液の流量が低下します。

(4)も正しいです。排ガス中のスート量が増加すると、吸収されるスラリーにも灰分や不純物が多く混じってしまい、生成される石こうの品質が下がります。

(5)も正しいです。設計温度を超えた運転を続けると、装置材料の耐用温度を超えるなどして損傷することがあります。これは試験対策の知識というより、日常的な感覚でわかると思います。

以上から、正解は(2)となります。

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