R7年 水質有害物質特論 問14 問題と解説

 問 題     

イオンクロマトグラフィーによるアンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンの検定に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. アンモニウムイオンを定量する場合の分離カラムには、陽イオン交換体を用いる。
  2. アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンの分離度が1.3以上となる溶離液を用いる。
  3. 亜硝酸イオンを定量する場合の分離カラムには、陰イオン交換体を用いる。
  4. 亜硝酸イオンの定量は、試料採取後、直ちに試験するが、直ちに行えない場合には、クロロホルムを添加して常温で保存した試料を用いる。
  5. 亜硝酸イオン及び硝酸イオンの同時定量が可能である。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(1)と(3)はともに正しいです。陽イオン交換樹脂はアンモニウムイオン(NH4)などの陽イオンを吸着し、陰イオン交換樹脂は硝酸イオン(NO3)、亜硝酸イオン(NO2)などの陰イオンを吸着します。

(2)も正しいですが、これはマイナーな知識なので気にしなくていいと思います。

(4)が誤りです。亜硝酸化合物をイオンクロマトグラフ法で分析する場合には保存が効きません。採水後速やかに測定を行う必要があります。

そのため(4)の記述は、添加する薬剤や保存温度が間違っているわけではなく、保存そのものができないというのが正しいです。

(5)は正しいです。イオンクロマトグラフ法は、塩化物イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンなど複数のイオンを同時に定量できます。

ただし、(1)や(3)にある通り陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂は別々に用いる必要があるため、陽イオンと陰イオンを同時に定量することはできません。

以上から、正解は(4)となります。

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