R7年 汚水処理特論 問19 問題と解説

 問 題     

膜処理装置とその維持管理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 膜の目詰まり対策として、クロスフローによる剪断(せんだん)力で膜面のケーキ層を圧密化して除去する方法などがある。
  2. 膜の細孔の目詰まり対策として薬液洗浄をする場合は、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸、シュウ酸、膜洗浄剤(界面活性剤など)などを用いることが多い。
  3. 逆浸透膜装置は、海水の淡水化などに使用されるが、モジュールが浮遊物質により閉塞しやすいため、通常、前処理でできるだけ浮遊物質を除く必要がある。
  4. 従来の沈殿やろ過装置に代わって、UF膜やMF膜が用いられた膜分離活性汚泥法や凝集処理膜分離装置などが実用化されている。
  5. 浮遊物質濃度の高い排水の固液分離装置として使用する場合は、圧力損失を小さくするため、低負荷運転により安定した連続運転を図る。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。膜の目詰まり対策として挙げられるのは、クロスフローによる剪断力で膜面のケーキ層を「圧密化して除去する」方法ではなく、「圧密化を防いで汚濁物が堆積しないようにする」方法です。

この知識はマイナーなので知らなくても仕方ないと思いますが、知識がなくても「目詰まり対策として~膜面のケーキ層を圧密化」はおかしいことに気づいてください。膜面を圧密化したら、余計に目詰まりしてしまいます。

(2)は正しいです。記述の通りですが、これは過去に何度か出題されている文章なので、押さえておきたい内容といえます。

(3)も正しいです。これは書かれていることが基本的な内容で、特に矛盾点もないため、正しい記述だと判断しやすいと思います。

(4)も正しいです。記述の通り、UF膜やMF膜は、膜分離活性汚泥法や凝集処理膜分離装置などに広く使われています。

(5)も正しいです。SSが高濃度の汚水は圧力損失が大きくなるため、低負荷運転をしたり(1)の解説にあるクロスフローで汚濁物の堆積を防いだりして、なるべく圧力損失を抑える運転をするのが重要です。

以上から、正解は(1)となります。

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