R7年 汚水処理特論 問18 問題と解説

 問 題     

酸化還元装置とその維持管理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 酸化剤又は還元剤の注入にあたっては、酸化還元電位計(ORP計)を用いて所定の電位になるように制御する。
  2. 水素イオンが関与する酸化還元反応では、pHを一定に制御した条件下において酸化還元電位制御で薬品を注入する。
  3. 酸化還元電位計は、電極面の汚れを清掃し、pH電極と同様に定期的に標準液を用いて校正する。
  4. 酸化還元反応を利用して処理される代表的な排水としては、めっき排水があり、クロム酸の硫酸鉄(Ⅱ)による還元や、シアンの次亜塩素酸ナトリウムによる酸化などが行われる。
  5. 有機物の処理に化学酸化を利用する場合では、次亜塩素酸ナトリウムの添加や、オゾンを含む空気の吹き込みが行われる。このような場合、ORP制御は行わないのが普通である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)と(2)はともに正しいです。薬品(酸化剤・還元剤)の注入は、pH一定の条件下においてORP計で所定の電位に到達するように制御するのが一般的です。

(3)が誤りです。pH計はpH4、pH7、pH10などの標準液を使って校正することができますが、酸化還元電位計(ORP計)は何を使っても校正することができません。標準液を用いる校正かどうかという以前に、ORP計は校正自体ができないと覚えておいてください。

(4)は正しいです。(4)の内容はまさに代表的な酸化還元処理の例ではありますが、ややマイナーな知識となるため、あまり気にしなくてもいいと思います。

(5)も正しいです。次亜塩素酸ナトリウムやオゾンなど酸化力のあるものを使う場合、汚水そのものの酸化還元電位が正しく測定できなくなるので、ORP制御は使いづらいです。

以上から、正解は(3)となります。

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