問 題
BOD 220mg/L、流量500m3/日の排水を、曝気槽容積200m3、MLSS 2000mg/L、BOD除去率90%で処理している活性汚泥法の汚泥滞留時間(日)として、最も近いものはどれか。
ただし、除去BODの汚泥への転換率を0.6、内生呼吸による汚泥の自己酸化率を0.05(1/日)とし、曝気槽以外の汚泥量と処理水中のSS量は無視できるものとする。また、汚泥生成量と余剰汚泥量は等しいものとする。
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解 説
この問題を解くには、2つの重要公式を知っておく必要があります。一つは問われている汚泥滞留時間(SRT)そのものを求める式で、もう一つは余剰汚泥生成量を求める式です。
汚泥滞留時間(SRT)はその名の通り、汚泥が槽内に滞留している時間(単位は「日」を使うことが多い)のことで、以下の(1)式で表すことができます。

上式の分子は「曝気槽の中にあるSS(=MLSS)の量」に相当し、分母は1日に曝気槽から流出するSSの総量に相当します。よって、槽内のSS量を1日の流出量で割れば、槽内のSSが何日で全て抜けるのかがわかり、これがまさに汚泥滞留時間(SRT)となります。
今回の場合、MLSS量は問題文で与えられた曝気槽容量とMLSS濃度の積で求められます(単純な掛け算ではなく、単位の調整は必要ですが)。また、処理水の汚泥量は問題文の最後に「処理水中のSS量は無視できる」とあるので、0として考えます。
よって、SRTを求めるためには、余剰汚泥生成量の値が必要です。これを計算することが目下の課題となります。
この余剰汚泥生成量を求める式が2つ目の重要公式で、以下の(2)式のように表すことができます。
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- ΔS:余剰汚泥生成量 [kg/日]
- Lr:除去BOD量 [kg/日]
- Sa:曝気槽内汚泥量 [kg]
- a:除去BODの汚泥への転換率
- b:内生呼吸による汚泥の自己酸化率 [1/日]
問題文で与えられた数値を使いながら上式に代入すればいいのですが、本問ではLrとSaが直接与えられていないので、先にそれらの値を求める必要があります。
除去BOD量Lrについては、BOD 220[mg/L]、BOD除去率90[%]、流量500[m3/日]を使って次の(3)式のように計算できます。

曝気槽内汚泥量Saについては、曝気槽容量200[m3]、MLSS濃度2000[mg/L]を使って次の(4)式のように計算できます。

よって、(3)式と(4)式の結果を(5)式に代入すると、余剰汚泥生成量ΔSが算出できます。

さらに、(5)式を使って(1)式を計算することで、問われているSRTを求めることができます。

以上から、正解は(5)となります。

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