問 題
公共用水域の水質汚濁の現状に関する記述として、誤っているものはどれか(環境省:令和4年度公共用水域水質測定結果による)。
- 人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)は、公共用水域全体では99%以上の地点で達成されていた。
- 河川、湖沼、海域のうち、健康項目の環境基準達成率が最も低いのは河川であった。
- 河川、湖沼、海域のうち、BOD又はCODの環境基準達成率が最も低いのは湖沼であった。
- 全シアンに関しては、環境基準を超過した地点はなかった。
- カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、総水銀のうち、環境基準を超過した地点数が最も多かった健康項目は、六価クロムであった。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。健康項目(27項目)の達成率は近年横ばいで推移していて、河川・湖沼・海域を合わせた全体で99%を少し超える程度です。
(2)も正しいです。(1)の解説の通り、健康項目の達成率は、河川・湖沼・海域を合わせた全体で99%ですが、非達成のうち多くは河川であり、わずかに湖沼もあります。一方、海域は100%達成している年がほとんどです。つまり、達成率の順番は「河川 < 湖沼 < 海域」となります。
(3)も正しいです。BODまたはCODの環境基準の達成率は「湖沼 < 海域 < 河川」の順番となっています。
(4)も正しいです。シアンは急性毒性が大きな問題となっている物質なので、全シアンが環境基準を超過するというのは、他の物質とは比較にならないほど良くない状況です。…が、実際には近年全シアンが基準を超えた事例はありません。
(5)が誤りです。環境基準超過率が高い健康項目は、毎年、1位が「ひ素」、2位が「ふっ素」です。この2物質は他の物質と比べて明らかに多いので、(5)の記述の中で最も多いのは「六価クロム」ではなく「ひ素」となります。
以上から、正解は(5)です。
公共用水域の健康項目の最新の数値はこちらのページに、生活環境項目の最新の数値はこちらのページにまとめたので、特に試験前には必ず確認しておいてください。

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