R7年 大規模大気特論 問2 問題と解説

 問 題     

低層大気中の対流と風の乱れに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 自由対流は、日射などにより暖められた地表面上に発生する熱対流である。
  2. 強制対流は、主に地表面粗度に起因する風速の鉛直勾配により発生する。
  3. 自由対流により発生する風の乱れは、風速に比例して増大する。
  4. 強制対流が卓越する風速下では、大気安定度は中立に近づき、気温減率は乾燥断熱減率に近づく。
  5. 強制対流で作られる中立層の厚さは、一般に数百メートル以下である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。日射によって地表面の空気が暖められると、その空気が膨張するので密度が小さくなり(空気が軽くなり)浮力が生じます。これによって発生する熱対流のことを、自由対流といいます。

(2)も正しいです。地表面近くを流れる風は地面との摩擦の影響で遅くなるので、風速の鉛直勾配が生じます。これによって起こる風の乱れのことを、強制対流といいます。

(3)が誤りです。(1)の解説の通り、自由対流は浮力による熱対流です。そのため、風の乱れが風速に比例するという事実はありません。むしろ、風速が強くなるほど自由対流ではなく強制対流が支配的になってくるので、(3)の記述は明確に誤りであると判断できます。

(4)は正しいです。一般的に、自由対流により作られるのが混合層、強制対流により作られるのが中立境界層となります。また、中立境界層の気温減率は、おおむね乾燥断熱減率に近いです。

(5)も正しいです。強制対流で作られる中立層の厚さは、一般に数百メートル以下となります。一方、自由対流で作られる混合層の厚さは、中立層よりも厚く、1km以下程度となります。

以上から、正解は(3)です。

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