R7年 大規模大気特論 問1 問題と解説

 問 題     

乱流拡散に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 大気中の大小様々な渦の不規則な運動による煙などの拡散を乱流拡散という。
  2. 乱流拡散における拡散速度は、乱れの大きさや変動周期に依存する。
  3. 乱流拡散係数は、煙濃度を測定する時間(平均化時間)に応じて変化する。
  4. 乱流拡散係数は分子拡散係数の102~103倍に達する。
  5. 水平方向の乱流変動には、数時間以上にわたる長周期の変動がある。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

1問目からやや難易度の高い問題です。乱流拡散が出題テーマになることはかなり珍しいので、個人的にはこの問題は捨て問題扱いにしてしまっても構わないと思います。参考までに以下に解説を示しますが、軽い気持ちで読み流してください。

(1)は正しいです。大気中では、分子の熱運動による分子拡散よりも、渦(乱流)の混合作用のほうが支配的で、このような拡がり方を乱流拡散といいます。煙が急速に広がる現象は、典型的な乱流拡散です。

(2)も正しいです。乱流の乱れの大きさや変動周期が変わると、拡散速度にも影響が生じます。これは知識がなくても、直感的にわかりやすいと思います。

(3)も正しいです。乱流は、どの時間スケールで平均化するかで見え方が変わってきます。たとえば平均化時間を長くすると、短周期の変動はならされ、乱流拡散係数(見かけの拡散の評価)は小さくなります。

(4)が誤りです。乱流拡散は非常に速く、乱流拡散係数は分子拡散係数の105~106倍に達します。よって、(4)の「102~103倍」では小さすぎで、実際には「105~106倍」とするのが正しいです。

(5)は正しいです。垂直方向の乱流変動は大体1時間以下と短い一方、水平方向の乱流変動は長い傾向にあり、数時間以上にわたる長周期の変動も見られます。

以上から、正解は(4)です。

コメント