問 題
電気集じん装置の一段式と二段式に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 一段式は二段式に比べ、再飛散防止に有効である。
- 一段式は、大容量の産業用として最も広く用いられる。
- 一段式では、ダストの見掛け電気抵抗率が異常に高い場合に起こる逆電離現象を避けることは困難である。
- 二段式は、集じん電極間隔を小さくできるため装置の小形化が可能である。
- 二段式は一段式に比べ、付着性の高いダストの集じんが困難である。
正解 (5)
解 説
一段式と二段式というのは、荷電形式による分類です。ダストの荷電とダストの集じんを一緒にやるのが一段式で、それぞれを分けて行うのが二段式です。
(1)は正しいです。一段式だと同じ場所で荷電と集じんを行うので、再飛散のリスクが減ります。
(2)も正しいです。(1)の通り一段式は再飛散の面でメリットが大きいので、大容量の産業用として広く使われています。
(3)も正しいです。二段式だと荷電部と集じん部が分かれているため、逆電離を避けることが可能です。一方で、一段式は逆電離が問題となります。
(4)も正しいです。二段式は荷電部と集じん部が分かれているため、集じん部では集じん電極面積を大きくするために電極間隔を小さくすることが可能です。一段式だとダストを荷電させるためにスペースが必要なので、電極間隔をあまり狭くするわけにはいきません。
(5)が誤りです。(4)の解説の通り、二段式は集じん部での電極間隔を小さくすることができます。付着性の高いダストは、いったん捕集板に到達すればそのまま残りやすいので、電極間隔が小さいことが捕集率の向上につながります。よって、(5)の記述は反対です。
以上から、正解は(5)となります。

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