問 題
ガス吸着に用いる活性炭に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ガス賦活炭は、石炭、木炭、ヤシ殻などに高温の水蒸気等を作用させてつくる。
- 添着炭は、木質原料をりん酸などの薬品に浸漬した後、炭化させてつくる。
- 排ガスの処理や有機溶剤の回収には、主にガス賦活炭が用いられる。
- アンモニアなど塩基性ガスの吸着には、酸性成分添着炭が適する。
- 被吸着成分としてハロゲン系化合物を含む場合は、腐食性ガスを生じることがある。
正解 (2)
解 説
(1)は正しいです。ガス賦活炭は、石炭、木炭、ヤシ殻などを900℃前後で、水蒸気などにより賦活することにより作られます。
(2)が誤りです。添着炭とは、活性炭に化学薬品を染み込ませたもののことです。例えばアンモニアなどの塩基性ガスを吸着させたいときには、酸性成分添着炭が有効となります。
一方で、(2)の説明文にあるように、事前に薬品に漬けてから炭化させて作るタイプの活性炭を、薬品賦活炭といいます。
薬品賦活炭はマイナーな知識なので気にしなくていいと思いますが、活性炭に化学薬品を染み込ませてできる添着炭のほうは、過去にも何度か出題されているため、押さえておいてください。
(3)は正しいです。ガス賦活炭は、高い吸着能力と機械的強度を持つため、排ガス処理や有機溶剤の回収などの用途に広く使用されています。また、蒸気再生が可能なため、経済的かつ効率的だといえます。
(4)も正しいです。(2)の解説の通り、アンモニアなどの塩基性ガスを吸着させたいときには、酸性成分添着炭が有効となります。
(5)も正しいです。被吸着物質にハロゲン系化合物(塩化水素やふっ素化合物など)を含む場合は、吸着剤である活性炭の表面が分解触媒として働き、腐食性ガス(塩素ガスやふっ化水素など)を生じる可能性があります。
以上から、正解は(2)となります。
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