問 題
鉛及びその化合物に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 鉛の沸点はおよそ1750℃と高いが、400~500℃程度から蒸発がかなり盛んになり、鉛フュームが発生する。
- 鉛の製錬に用いる溶鉱炉法では、原料である鉛精鉱を焼結炉に入れて鉛の酸化物とする。
- 焼結時に鉛精鉱から発生するSO2を含む排ガスは、除じんされてから硫酸工場に送られる。
- 焼結して塊状化している鉛の酸化物は、溶鉱炉でコークスによって還元されて粗鉛にされる。
- 粗鉛の純度は85~90%であり、乾式法又は電解法によって鉛の純度を高めるとともに、金、銀、ビスマス等の有価金属が回収される。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。鉛の沸点はかなり高い(約1750℃)ですが、400~500℃程度から蒸発が盛んになり、鉛フュームが発生します。
(2)~(4)はいずれも正しいです。
まず、焼結炉で鉛精鉱を焼結することによって、鉛精鉱は硫黄分を二酸化硫黄(SO2)として除去しながら鉛の酸化物へ変換されます。このとき発生したSO2は硫酸工場に送られ、硫酸の製造に利用されます。
その後、焼結で得られた塊状化した鉛の酸化物は、溶鉱炉でコークスを加えて還元されて粗鉛になります。
(5)が誤りです。粗鉛という名前からは意外に感じるかもしれませんが、粗鉛は純度95~97%くらいの鉛のことです。残りの数%に金や銀などの高価な金属も含まれているため、溶解炉で粗鉛を精錬しながらこれらの金属を回収します。
よって、(5)の「85~90%」が誤りで、正しくは「95~97%」となります。
以上から、正解は(5)です。
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