R6年 大気特論 問13 問題と解説

 問 題     

排ガス試料採取における測定成分と採取管、導管、ろ過材などの材質との組合せとして、JISに例示されているものはどれか。

  • (測定成分)   (採取管などの材質)
  1. シアン化水素  ほうけい酸ガラス
  2. アンモニア   クロロプレーンゴム
  3. 塩素      ステンレス鋼
  4. ふっ化水素   シリカガラス
  5. メルカプタン  硬質塩化ビニル樹脂

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)は正しいです。シアン化水素はガラスや樹脂、ステンレスなどに対して安定であり、どのような材質でも使用することができます。よって、シアン化水素は、選択肢(1)~(5)のどの材質との組合せであっても適切だといえます。

一方で、ほうけい酸ガラスは優れた材質であり、こちらも、排ガスに含まれる全ての測定成分(塩素やふっ化水素など)に対しても使用することができます。

(2)は誤りです。アンモニアはクロロプレーンゴムを劣化させるので、この組合せは不適です。アンモニアの採取には、ガラスやステンレスの器具が適しています。

(3)も誤りです。塩素は、金属や樹脂に使用すると腐食や劣化のおそれがあるので、これも不適です。塩素の採取には、ガラス製の器具が適しています。

(4)も誤りです。ふっ化水素は、ガラスやセラミックスを腐食します(ただし、(1)で解説したほうけい酸ガラスは耐食性があるので使用できます)。よって、ふっ化水素の採取には、ほうけい酸ガラスかステンレス鋼、あるいは樹脂系の器具が適しています。

(5)も誤りです。メルカプタンは有機硫黄化合物であり、硬質塩化ビニル樹脂やステンレス鋼との相性が悪いです。メルカプタンの採取には、ガラスやセラミックスの器具が適しています。

以上から、正解は(1)となります。

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