問 題
排煙脱硝技術のアンモニア(NH3)接触還元法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 還元剤はNH3だけでなく、尿素を利用したシステムも一部実用化されている。
- 白金系触媒は、酸化バナジウム触媒よりもSOxによる被毒に強い。
- 触媒のダストによる閉塞を抑制するため、ハニカム状などの平行流形の形状の触媒が用いられている。
- NH3注入量の指標として、注入するNH3量と処理ガス中のNO量のモル比(NH3/NO)が用いられる。
- 未反応NH3は、約250℃以下でガス中のSO3と反応し、酸性硫安を生成・析出する。
正解 (2)
解 説
(1)は正しいです。還元剤にはNH3が用いられる場合が多いですが、尿素を利用したシステムも一部実用化されています。
(2)が誤りです。白金系触媒はSOxで被毒されやすい触媒です。そのため、SOxを含む排ガスを処理する場合は、酸化チタンを担体とした酸化バナジウム触媒を用いるのが有効です。
(3)は正しいです。ダストによる閉塞防止と圧力損失低減のために、ハニカム状あるいはプレート状の触媒が用いられます。ハニカム状というのは格子状の構造で、プレート状は板状です。
(4)も正しいです。NH3注入量の指標はNH3/NOのモル比で表され、理論上、以下の化学反応式の通り1:1のモル比で反応します。
(5)も正しいです。未反応のNH3はSO3と反応し、酸性硫安(硫酸水素アンモニウム:NH4HSO4)が生成・析出します。
以上から、正解は(2)となります。
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