R6年 大気概論 問10 問題と解説

 問 題     

2022(令和4)年度大気汚染防止法施行状況調査(令和3年度実績)によるばい煙発生施設等に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ばい煙発生施設数は、約21万6000施設である。
  2. 施設種類別のばい煙発生施設数ではボイラーが最も多く、次いでディーゼル機関となっている。
  3. 揮発性有機化合物(VOC)の排出施設数は約3400施設であり、種類別では塗装の用に供する乾燥施設が最も多い。
  4. 一般粉じん発生施設数は7万施設以上であり、種類別ではコンベアが半分以上を占めている。
  5. 水銀排出施設数は約4500施設であり、種類別では廃棄物焼却炉が約90%を占めている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は記述の通りですが、マイナーな知識であるため、知らなくても気にせずスルーしてよい選択肢だと思います。

(2)と(4)はともに正しいです。ばい煙発生施設には様々な種類がありますが、ボイラーだけで過半数(6割くらい)を占めています。また、一般粉じん発生施設数のうち、コンベアだけで過半数(6割くらい)を占めています。

(2)と(4)を併せて、ばい煙発生施設のうち過半数はボイラー、一般粉じん発生施設数のうち過半数はコンベアと覚えておくとよいかもしれません。

(3)が誤りです。これは出題頻度は決して高くありませんが、たまに類題が出題され、しかも正解の選択肢となりやすい傾向があります。そのため、余裕があれば押さえておきたい知識といえます。

なお、年度による変動はあまりないので、環境基準の達成率のように常に最新の情報をアップデートしなくても、そこまで影響ないと思います。

揮発性有機化合物(VOC)の排出施設数の上位3つは次の順番となります。

  1. 印刷回路用銅張積層板、粘着テープ若しくは粘着シート、はく離紙又は包装材料の製造に係る接着の用に供する乾燥施設
  2. 塗装施設
  3. 塗装用の乾燥施設

よって、最も多いのは「塗装の用に供する乾燥施設」ではなく、「印刷回路用銅張積層板、粘着テープ若しくは粘着シート、はく離紙又は包装材料の製造に係る接着の用に供する乾燥施設」となります。

(5)は正しいです。今の時代は水銀を含む原料を用いることがほとんどないため、水銀の発生源はほとんど(9割くらい)が廃棄物焼却炉となっています。

以上から、正解は(3)となります。

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