R6年 大気概論 問7 問題と解説

 問 題     

人間活動(化石燃料等の消費や土地利用等の改変)により大気中に排出された二酸化炭素に関する記述中、アとイの(  )の中に挿入すべき数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。

ただし、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)による。

AR6では、2010年から2019年までの10年間に人間活動によって、平均して年に約109億トン-炭素が大気中に排出されたと推定している。一方、陸上生物圏は年に( ア )億トン-炭素を吸収し、海洋は年に( イ )億トン-炭素を吸収したと推定している。

  • ア  イ
  1. 12  25
  2. 25  12
  3. 25  34
  4. 34  25
  5. 34  47

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の評価報告書(AR)からの出題はたまにありますが、本問ではかなりマニアックな数値が問われていて、これらの知識を正確に記憶している受験者の方は少ないと思います。

しかも、各選択肢の数値が極端には離れていないので、判断が難しいです。そのため、個人的にはこの問題は捨て問題扱いにしてしまっても構わないと思います。参考までに以下に解説を示しますが、軽い気持ちで読み流してください。

AR6によると、2010年代の人間活動によるCO2排出量は、約109億[t-C/年]となります。その内訳は、化石燃料や産業活動によるものが約96億[t-C/年]で、土地利用の変化(森林伐採など)が約13億[t-C/年]です。

CO2排出量が人間活動によってこれだけ排出されたのに対し、地球で吸収された分としては、陸上生物圏(森林など)で約34億[t-C/年]、海洋で約25億[t-C/年]、合計で約59億[t-C/年]となります。

よって、109億[t-C/年]から59億[t-C/年]を差し引いた50億[t-C/年]が、大気中のCO2の増加量となります。

以上から、

  • ア:34
  • イ:25

となるので、正解は(4)です。

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