R6年 汚水処理特論 問20 問題と解説

 問 題     

ICP発光分光分析法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ICP発光分光分析装置は、励起源部、試料導入部、発光部、分光測光部、データ処理部及び制御部から構成される。
  2. プラズマの中心部の温度は、一般的に6000~10000℃程度と高温である。
  3. プラズマを形成するためのガスには、通常、アセチレンが用いられる。
  4. ICP発光分光分析装置のプラズマは、弱電離プラズマと呼ばれる。
  5. 分光測光部は、集光系、分光部及び検出器から構成される。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。記述の通り、ICP発光分光分析装置の構成は、励起源部、試料導入部、発光部、分光測光部、データ処理部、制御部となります。

(2)も正しいです。ICP発光分光分析法は、測定対象の元素を基底状態から高エネルギーの励起状態にまで上げなければいけないので、かなりの高温(6000~10000℃)が必要となります。ちなみに、フレーム原子吸光法のフレーム(炎)の温度が2000~3000℃くらいです。

(3)が誤りです。ICP発光分光分析法でプラズマガスやキャリヤーガスとして用いられるのは、「アセチレン」ではなく「アルゴン」です。アセチレンを使うのは、フレーム原子吸光法の場合です。

(4)は正しいです。ICP発光分光分析装置のプラズマは完全には電離していないので、弱電離プラズマと呼ばれます。

(5)も正しいです。分光測光部は、発光部から放射された光を効率よく分光部に導く集光系、スペクトル線を分離する分光部及び検出器で構成されます。

以上から、正解は(3)となります。

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