R6年 汚水処理特論 問2 問題と解説

 問 題     

凝集分離に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 水に懸濁している粒子のうち、10μm程度の大きさの粒子はコロイド粒子又は単にコロイドとも呼ばれ、凝集処理の対象となる。
  2. 無機凝集剤には、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄(Ⅱ)などがある。
  3. 高分子凝集剤には、アルギン酸ナトリウム、水溶性アニリン樹脂、ポリアクリルアミドなどがある。
  4. 注入する凝集剤の種類と量は、処理すべき懸濁系の水質によって決まり、凝集剤の添加量は、ジャーテストによって実験的に決定する。
  5. 攪拌(かくはん)が強すぎると、凝集したフロックが剪断力によって破壊されて再分散してしまうので、各々の凝集反応系に特有の最適攪拌条件が存在する。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。コロイド粒子(コロイド)が凝集処理の対象となるのはその通りですが、コロイド粒子の大きさは「10μm程度」ではなく「1nm~1μm」です。

10μm程度もあると、それはコロイド粒子ではなく微粒子であり、これくらいの大きさがあれば、凝集法を用いなくても普通沈殿や砂ろ過法で分離することができます。

(2)は正しいです。無機凝集剤の代表的なものには、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄(Ⅱ)、塩化鉄(Ⅲ)などがあります。

(3)も正しいです。(2)よりはマイナーな知識ですが、高分子凝集剤の代表的なものには、アルギン酸ナトリウム、水溶性アニリン樹脂、ポリアクリルアミドなどがあります。

(4)も正しいです。最適な凝集剤の添加量は、水のpH、濁度、温度などの様々な水質条件が影響します。そのため、実際に処理を開始する前にジャーテストで試してみることが重要です。

(5)も正しいです。攪拌が強すぎると、凝集によって生成した凝集体が破壊されて再分散してしまいます。そうならないよう、それぞれの凝集反応系に合った最適攪拌条件で攪拌することが求められます。

以上から、正解は(1)となります。

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