R6年 公害総論 問8 問題と解説

 問 題     

水質汚濁の現状に関する記述として、誤っているものはどれか(環境省:令和3年度公共用水域水質測定結果及び令和3年度地下水質測定結果(概況調査)による)。

  1. 海域においては、健康項目の環境基準を超過した地点はなかった。
  2. 河川においては、環境基準超過率が高い健康項目は、ひ素、ふっ素であった。
  3. 地下水においては、環境基準超過率が最も高い項目は、令和2年度までは硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素であったが、令和3年度はひ素になった。
  4. 地下水におけるひ素の汚染については、主に自然由来のひ素が原因とみられる。
  5. 地下水においては、ここ数年間、トリクロロエチレンの環境基準超過率は1%以上で推移している。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。健康項目(27項目)の達成率は、河川・湖沼・海域を合わせた全体で99%です。非達成のうち多くは河川であり、わずかに湖沼もあります。一方、海域は100%達成している年がほとんどです。R3年度も例年同様、海域では100%達成しています。

(2)も正しいです。環境基準超過率が高い健康項目は、毎年、1位が「ひ素」、2位が「ふっ素」です。これは河川・湖沼・海域を合わせた全体でも、河川だけでも同様です((1)の解説の通り、基準超過のほとんどが河川なので、当たり前といえば当たり前ですが…)。

(3)はやや難しいですが、これも正しいです。地下水に関しては、R2年度までは基準超過の1位が「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」で2位が「ひ素」でしたが、R3年度には1位と2位が逆転しました。

(4)も正しいです。地下水におけるひ素は、主に自然由来です。自然界に存在する鉱物や岩石から、ひ素が少しずつ溶出しています。

(5)が誤りです。トリクロロエチレンの環境基準超過率は、例年0.1%程度です。高いときで0.2%程度になることもありますが、1%以上になることはありません。

例年、基準超過率が1%以上になるのは、(3)で出てきた「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」と「ひ素」くらいです。

以上から、正解は(5)となります。

公共用水域の健康項目の最新の数値はこちらのページに、生活環境項目の最新の数値はこちらのページに、地下水についてはこちらのページにまとめたので、特に試験前には必ず確認しておいてください。

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