問 題
我が国の石炭火力発電所の排煙処理システムに関する記述として、誤っているものはどれか。
- 集じんには、主に電気集じん装置が用いられる。
- 脱硝には、主に選択的触媒還元法(SCR法)が用いられる。
- 脱硫には、主に湿式石灰石こう法が用いられる。
- 排ガスから熱を回収し、脱硫装置後の排ガスを再加熱するための熱交換器が一般的に設置されている。
- 低低温形電気集じん装置方式では、脱硝装置の運転温度を下げることで高性能化を図っている。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。火力発電所(石炭・重油とも)は処理風量が大きいので、集じん装置には圧力損失の小さな電気集じん装置が採用されています。
(2)と(3)もともに正しいです。石炭火力発電所では、脱硝には「選択的触媒還元法(SCR法)」が、脱硫には「湿式石灰石こう法」が用いられます。どちらも重要事項なので覚えておいてください。
(4)も正しいです。石炭火力発電所では脱硫に湿式石灰石こう法を用いるため、排ガスは水分(水蒸気)を多く含みます。それをそのまま煙突から排出すると、周囲の空気で冷やされて水蒸気が水に変わり白煙となります。これを防ぐ白煙対策として、脱硫装置後の排ガスを再加熱するための熱交換器が設置されています。
(5)が誤りです。低低温形電気集じん装置は、電気集じん装置の運転温度を90℃近辺まで下げ、ばいじん捕集性を高めた装置です。よって、(5)の「脱硝装置」が誤りで、ここを「電気集じん装置」にすると正しい文章になります。
以上から、正解は(5)となります。
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