R6年 ばいじん・粉じん特論 問15 問題と解説

 問 題     

温度120℃の排ガスの流速をピトー管で計測し、動圧値として20Paを得た。

このときのガス流速(m/s)はおよそいくらか。

なお、ピトー管係数は0.9、測定時の大気圧は102.02kPa、測定点の静圧(ゲージ圧)は-1.3kPaであり、標準状態(0℃、101.32kPa)でのガスの密度は1.3kg/m3とする。

  1. 3.0
  2. 3.8
  3. 4.7
  4. 6.0
  5. 6.7

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

ピトー管を使ってガス流速を求める際には、以下の式を使います。この問題ではまさにガス流速が問われていますが、「ピトー管係数」が問題文に出てきたら、とりあえずこの式を思い出してください。

  • v:管内のガス流速 [m/s]
  • C:ピトー管係数
  • Pd:ダクトを流れるガスの動圧 [Pa]
  • ρ:ダクトを流れるガスの密度 [kg/m3]

ここで、C、Pdは問題文にそのまま記載されていますが、ρがわからないため、(1)式だけでは問われているvを求めることができません。

そこで、別のアプローチでρ(ダクトを流れるガスの密度)を求める必要がありますが、ρは標準状態のガスの密度との比較で求めることもできます。

比較するパラメータは問題文にある通り、圧力と温度の2つですが、まず、圧力が高ければその分圧縮されるので、ガスの密度は大きくなります。よって密度と圧力は比例します。次に、ガスの温度が高ければその分膨張するので、ガスの密度は小さくなります。よって密度と温度は反比例します。

以上より、標準状態は0℃(273K)、101.32kPa(1atm)なので、ある温度・圧力下の条件ガスの密度は以下の(2)式で表すことができます。

  • ρ:ダクトを流れるガスの密度 [kg/m3]
  • ρ0:標準状態のガスの密度 [kg/m3]
  • θ:ガス温度 [℃]
  • P:大気圧 [kPa]
  • Ps:静圧(ゲージ圧) [kPa]
  • P0:標準状態圧力 [kPa]

つまり、この問題の場合は、次の(3)式のようになります。

(3)式の結果と問題文で与えられた各数値を(1)式に代入することで、以下のようにガス流速vを求めることができます。

以上より、正解は(4)です。

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