問 題
温度120℃の排ガスの流速をピトー管で計測し、動圧値として20Paを得た。
このときのガス流速(m/s)はおよそいくらか。
なお、ピトー管係数は0.9、測定時の大気圧は102.02kPa、測定点の静圧(ゲージ圧)は-1.3kPaであり、標準状態(0℃、101.32kPa)でのガスの密度は1.3kg/m3とする。
- 3.0
- 3.8
- 4.7
- 6.0
- 6.7
正解 (4)
解 説
ピトー管を使ってガス流速を求める際には、以下の式を使います。この問題ではまさにガス流速が問われていますが、「ピトー管係数」が問題文に出てきたら、とりあえずこの式を思い出してください。
- v:管内のガス流速 [m/s]
- C:ピトー管係数
- Pd:ダクトを流れるガスの動圧 [Pa]
- ρ:ダクトを流れるガスの密度 [kg/m3]
ここで、C、Pdは問題文にそのまま記載されていますが、ρがわからないため、(1)式だけでは問われているvを求めることができません。
そこで、別のアプローチでρ(ダクトを流れるガスの密度)を求める必要がありますが、ρは標準状態のガスの密度との比較で求めることもできます。
比較するパラメータは問題文にある通り、圧力と温度の2つですが、まず、圧力が高ければその分圧縮されるので、ガスの密度は大きくなります。よって密度と圧力は比例します。次に、ガスの温度が高ければその分膨張するので、ガスの密度は小さくなります。よって密度と温度は反比例します。
以上より、標準状態は0℃(273K)、101.32kPa(1atm)なので、ある温度・圧力下の条件ガスの密度は以下の(2)式で表すことができます。
- ρ:ダクトを流れるガスの密度 [kg/m3]
- ρ0:標準状態のガスの密度 [kg/m3]
- θ:ガス温度 [℃]
- P:大気圧 [kPa]
- Ps:静圧(ゲージ圧) [kPa]
- P0:標準状態圧力 [kPa]
つまり、この問題の場合は、次の(3)式のようになります。
(3)式の結果と問題文で与えられた各数値を(1)式に代入することで、以下のようにガス流速vを求めることができます。
以上より、正解は(4)です。
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