問 題
JISのダスト濃度測定に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 測定位置の条件を満たす鉛直と水平の直管部がある場合には、重力によるダスト濃度の偏りが少ない水平の直管部を測定位置として選択することが規定されている。
- 小規模ダクト(断面積0.25m2以下)の場合、測定断面中心の1点だけを測定点としてもよい。
- 平衡形自動試料採取装置には、動圧式と静圧式がある。
- 測定点における排ガスの流れ方向と吸引ノズルの方向との偏りは、10°以下とする。
- 湿式集じん装置の出口排ガス温度が100℃以下の場合、排ガス中の水分量は、その温度の飽和水蒸気圧から計算により求めてもよい。
正解 (1)
解 説
(1)は誤りです。まず、JISでは鉛直の直管部にするか水平の直管部にするかといった指定はありません。つまり、規定上は測定位置の条件を満たせばどちらを選んでもよいことになります。
また、JISの規定を正確に把握していない場合でも、本問は考えることで得点できる設問となっています。というのも、文中には「重力によるダスト濃度の偏りが少ない水平の直管部」とありますが、実際には「鉛直の直管部」のほうが偏りが少ないと判断できるからです。
水平な管の中のある断面を切り取ったとき、そこを流れるダストはムラが生じやすくなります。なぜなら、重力が働くせいで断面の上のほうはダスト濃度が薄く、下のほうはダスト濃度が高くなるためです。
一方、鉛直な管であれば、ある断面を切り取ったときにどの部分も一様なダスト濃度となります。ダストにムラがないほうが測定値の信頼性が高くなるので、測定位置は鉛直の直管部のほうが望ましいことになります。
このように考えると、(1)の「重力によるダスト濃度の偏りが少ない水平の直管部」は明らかに誤っていると判断することができます。
また、(2)~(5)はいずれも正しいですが、どれも大して重要な知識というわけではないので、この問題は消去法ではなく直接(1)を選べれば問題ありません。
以上から、正解は(1)となります。
コメント
選択肢(1)ですが、「JISに規定されている」の部分も誤りだと思います。JISには水平、鉛直に関する規定はなく、この選択肢には複数の誤りがあります。
解説を追記しました。ご指摘ありがとうございます!