R6年 ばいじん・粉じん特論 問11 問題と解説

 問 題     

石綿に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

我が国で工業的に使用されてきた石綿の95%以上は(1)クリソタイルで、その他に(2)アモサイト(3)クロシドライト等がある。

石綿が使用された製品のうちで最も多いのは(4)石綿スレートであり、石綿の酸化物基準での化学組成として、最も質量割合が大きいのは(5)酸化アルミニウムである。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

国内で工業的に使用されてきた石綿の95%以上はクリソタイルで、その主成分はけい素とマグネシウムです。

また、クリソタイル以外にはアモサイトやクロシドライトが挙げられます。国内での使用事例が少ないことからあまり馴染みがないかもしませんが、名前くらいは知っておいてほしいところです。

よって、(1)~(3)はいずれも正しいです。

続いて、石綿が使用された製品のうちで最も多いのは石綿スレートなので(4)も正しいですが、これはややマニアックな知識であるため、実際の試験では正誤の判断ができなくても仕方ないと思います。

残る(5)に関して、解説の冒頭に書いた通り、クリソタイルの主成分はけい素とマグネシウムです。アモサイトはケイ素とマグネシウムのほかに鉄も含み、クロシドライトはこの3種に加えてナトリウムも含みますが、いずれもけい素とマグネシウムが多いという点が重要です。

これらは化学組成でいうと「二酸化けい素」と「酸化マグネシウム」であり、どちらが多いかはものによるので微妙なところですが、いずれにせよ(5)の「酸化アルミニウム」ではないことは確かです。

以上から、正解は(5)となります。

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