R6年 ばいじん・粉じん特論 問8 問題と解説

 問 題     

洗浄集じん装置の性能に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ベンチュリスクラバーでは、基本流速が大きいほど、微細なダストを捕集することができる。
  2. ため水式では、基本流速が小さいほど、集じん率は高くなる。
  3. スプレー塔では、液ガス比が大きいほど、集じん率は高くなる。
  4. 充塡塔では、充塡層内のガス流れが均一なほど、集じん率は高くなる。
  5. 回転式では、一般に回転数が大きいほど、集じん率は高くなる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。ベンチュリスクラバーに限らず、洗浄集じん装置は基本流速が大きいほど微細なダストを捕集することができます。ちなみに、ベンチュリスクラバーは主要な集じん装置の中で最も基本流速が大きい(60~90m/s)ことは知っておきたい知識です。

(2)が誤りです。ため水式では、基本流速が大きいほどガスと液体との接触が激しくなり、集じん率は高くなります。よって、(2)の「基本流速が小さい」が誤りで、正しくは「基本流速が大きい」となります。

(3)は正しいです。液ガス比とは、洗浄集じん装置における吸収液と被処理ガスとの流量比のことです。スプレー塔では、液ガス比が大きいほど液滴の量が増加し、ダストとの接触機会が増えるため、集じん率は高くなります。

(4)も正しいです。充塡塔では、充塡物を通してガスと液体が接触します。ガスの流れが均一であると全体的な接触効率が高まり、ダストの捕集が効果的に行われます。

(5)も正しいです。回転式では、回転による遠心力を利用してガスと液体を混合し、ダストを捕集します。そのため、回転数が大きいほど遠心力が増加し、ガスと液体の接触が促進されるため、集じん率は高くなります。

以上から、正解は(2)です。

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