問 題
電気集じん装置に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 通常、正コロナの火花電圧は負コロナの火花電圧の約1/2である。
- 電界荷電による粒子帯電量は、粒子径の2乗に比例する。
- 電界荷電による粒子帯電量は、誘電定数に比例する。
- 電界荷電においては、コロナ電流密度が大きいほど短時間で粒子を帯電できる。
- 拡散荷電による粒子帯電量は、ガスの絶対温度(K)に反比例する。
正解 (5)
解 説
電気集じん装置の各パラメータの関係に関する出題は珍しいため、やや難易度の高い出題といえます。悪問・奇問というわけではないので、余裕があれば押さえておきたい知識ですが、ご自身の学習状況や理解度によっては後回しにしても構わないと思います。
(1)は正しいです。正コロナは電子放出が困難であり、低い電圧で火花放電に移行しやすいため、火花電圧が低くなります。具体的には、正コロナの火花電圧は負コロナの火花電圧の約1/2となっています。
(2)と(3)もともに正しいです。誘電定数が大きければそれだけ電荷を帯びやすくなり、粒子表面積が大きければそれだけ電荷を帯びるスペースができます。よって、粒子帯電量は、誘電定数にも粒子表面積にも比例します。
(2)では「粒子帯電量は、粒子径の2乗に比例する」とありますが、粒子径の2乗というのが粒子表面積に相当するので(面積=半径×半径×π)、(3)だけでなく(2)の表現も正しいです。
(4)も正しいです。コロナ電流密度が大きいということは、単位時間あたりに生成されるイオンの数が多いことを意味します。その結果、粒子はより短時間で十分な電荷を帯びることができます。
(5)が誤りです。拡散荷電では、帯電量はガスの絶対温度の平方根に反比例します。そのため、「ガスの絶対温度(K)に反比例する」が誤りで、正しくは「ガスの絶対温度(K)の平方根に反比例する」となります。
以上から、正解は(5)です。
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