R6年 ばいじん・粉じん特論 問3 問題と解説

 問 題     

流れが完全な層流である重力集じん装置において、気流の水平方向速度に対する粒子の終末沈降速度の比を表す式として、正しいものはどれか。

ただし、ストークスの法則が成立するものとし、u:気流の水平方向速度(m/s)、dp:粒子径(m)、ρp:粒子密度(kg/m3)、μ:ガスの粘度(Pa・s)、g:重力加速度(m/s2)である。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

いきなり邪道な解説をしますが、公害防止管理者試験において、「粘度の2乗に比例」や「密度の2乗に比例」するパラメータはまず出題されません。3乗、4乗などについても同様です。粘度または密度に比例したり反比例したりすることはありますが、2乗と書かれたら疑ってください。

よって、ρp2やμ2を含む選択肢は全て誤りなので、いずれも含まない(1)が正解となります。

試験本番のときには上記のように考えて(1)を選べばよいと思いますが、選択肢次第ではうまく一つに絞れるかわからないので、以下ではきちんとした解説をします。

ストークスの法則とは、粒子がガス中を沈降する際の終末沈降速度vは、以下に表すストークスの式に従うというものです。この式は出題頻度こそ高くないものの、知っておけばすぐに正解できる問題がたまに出題されます。

  • v:粒子の沈降速度 [m/s]
  • dp:粒子の直径 [m]
  • ρp:粒子の密度 [kg/m3]
  • g:重力の加速度 [m/s2]
  • μ:ガスの粘度 [Pa・s]

よって、気流の水平方向速度u[m/s]に対する粒子の終末沈降速度v[m/s]の比は、次のように表すことができます。

以上から、正解は(1)となります。

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