R5年 大気有害物質特論 問10 問題と解説

 問 題     

JISによる排ガス中のカドミウム分析方法(ICP質量分析法)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. カドミウムの質量/荷電数におけるイオンカウントを測定する。
  2. 内標準物質として硝酸パラジウム(Ⅱ)を用いる。
  3. JISに規定されたカドミウム分析方法の中で、適用濃度範囲の下限が最も小さい。
  4. 酸化モリブデンは妨害成分である。
  5. 鉛、ニッケル、マンガン及びバナジウムを同時に定量できる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(1)は正しいです。カドミウム及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンカウントを測定し、その比を求めてカドミウムを定量します。

(2)が誤りです。内標準物質として用いられるのは、「硝酸パラジウム(Ⅱ)」ではなく「イットリウム(原子記号:Y)」です。

(3)は正しいです。ICP質量分析法は微量分析が可能な分析方法で、カドミウムの分析方法(フレーム原子吸光法、電気加熱原子吸光法、ICP発光分光分析法、ICP質量分析法)の中で、適用濃度範囲の下限が最も小さいです。

(4)も正しいです。ICP質量分析法を用いてカドミウムを分析する際には、「酸化モリブデン」と「すず」が妨害成分となります。ただし、出題頻度から見ると、これはややマイナーな知識だといえます。

(5)も正しいです。ICP発光分光分析法やICP質量分析法では、カドミウムの分析と併せて、鉛、ニッケル、マンガン、バナジウムなどを同時に定量することができます。

以上から、正解は(2)となります。

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