R5年 大気有害物質特論 問7 問題と解説

 問 題     

特定物質とその漏洩(ろうえい)時の措置の組合せとして、誤っているものはどれか。

  •  (特定物質)         (措置)
  1. ホスゲン      被害を及ぼすと考えられる区域への立ち入りの禁止
  2. メルカプタン    着火源となるものの速やかな除去
  3. ふっ化水素     炭酸ナトリウムによる中和
  4. シアン化水素    硫酸鉄(Ⅱ)の水酸化ナトリウム溶液による処理
  5. クロルスルホン酸  漏洩箇所への注水

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(1)は正しいです。ホスゲンは猛毒の毒性ガスです。また、引火性や爆発性はないものの、水と反応するとCO2と塩化水素を生じます。そのため、漏洩箇所への立ち入りや注水などは厳禁で、漏洩時は速やかに被害を及ぼすと考えられる区域への立ち入りを禁止します。

(2)も正しいです。メルカプタンは爆発性があるため、着火源となるものを速やかに取り除くとともに、爆発性混合気をつくらないように措置します。

(3)も正しいです。ふっ化水素は水をかけたときの溶解熱が大きいため、注水はできません。漏洩時には、炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムで中和するのが適切な対応です。

(4)も正しいです。シアン化水素は毒性が強いですが、硫酸鉄(Ⅱ)の水酸化ナトリウム溶液と反応させると、比較的無害なヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸ナトリウムに変わります。

(5)が誤りです。クロルスルホン酸(クロロ硫酸)は、水に対する溶解熱が大きい上、水と反応すると塩酸及び硫酸を生じるため、注水は厳禁です。漏洩時の対応は、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムの散布や中和によって吸収させます。

以上から、正解は(5)となります。

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