R5年 大気有害物質特論 問4 問題と解説

 問 題     

ガス吸着に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 吸着等温線は、一定温度におけるガス濃度と平衡な吸着量の関係を表すものである。
  2. 脱着とは、被吸着物質の分圧が下がるか、温度が上昇したときに、被吸着物質が吸着剤から脱離して気相に出てくる現象をいう。
  3. シリカゲルは活性炭に比べて極性が小さく、その吸着力はファンデルワールス力による。
  4. 吸着剤表面での化学反応を伴う吸着は、化学吸着と呼ばれている。
  5. 被吸着物質にハロゲン系化合物を含む場合は、吸着剤である活性炭の表面が分解触媒として働き、腐食性ガスを生じることがある。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)は正しいです。吸着等温線は、一定温度におけるガス濃度(分圧)と平衡にある吸着量の関係を表すものです。

(2)も正しいです。脱着は、被吸着物質が吸着剤から脱離して気相に出てくることをいいます。

(3)が誤りで、「活性炭」と「シリカゲル」を入れ替えると正しい文章となります。

活性炭はそれ自身、極性の小さなものです。吸着はファンデルワールス力によるもののため、極性物質よりも非極性物質(炭化水素など)との相性が良くなります。一方、シリカゲルは活性炭とは反対に、極性物質の吸着に優れています。

(4)は正しいです。吸着剤表面での化学反応を伴う吸着を、化学吸着といいます。

(5)も正しいですが、これはマイナーな知識となるため、あまり気にしなくてもいいと思います。

以上から、正解は(3)です。

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