R5年 大気有害物質特論 問2 問題と解説

 問 題     

ふっ化水素に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 常温で無色の発煙性の気体である。
  2. 水溶液は弱酸であるが、多くの金属を溶解・腐食する。
  3. 水溶液は、二酸化けい素やけい酸化合物を溶かす性質がある。
  4. 耐圧容器に詰めて、液体として取り扱われる。
  5. 空気との混合物は爆発性が高い。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

ふっ化水素は、常温で無色、液体密度1001.5kg/m3(0℃)、沸点19.4℃であり、耐圧容器に詰めて液体として取り扱われます。また、空気に触れると白煙を生じます。ふっ化水素自体は不燃性で爆発性もありませんが、金属と反応して水素を発生し、これが爆発の原因となることがあります。

上記を踏まえて選択肢の正誤を判断していきます。

(1)は正しいです。ふっ化水素は、常温で無色の発煙性の気体です。ちなみに、ふっ素は、常温で淡黄色の気体です。併せて押さえておいてください。

(2)と(3)はともに正しいです。ふっ化水素水溶液は弱酸性ですが、強い腐食性を有していて、多くの金属やけい素化合物を溶解・腐食します。そのため、ふっ化水素水溶液の保存にガラス瓶などは使えず、ステンレス鋼など耐食性の材料が使用されます。

(4)も正しいですが、これはややマイナーな知識となります。ふっ化水素の沸点は19.4℃であるため、耐圧容器に加圧した状態で保存すると、沸点上昇により安定して液体として取り扱うことができます。

(5)が誤りです。ふっ化水素は不燃性で爆発性もないため、空気との混合物は爆発性の危険はありません。ただし、金属と反応すると水素を生じるので、これが爆発の原因となることはあります。

以上から、正解は(5)です。

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