R5年 大気有害物質特論 問1 問題と解説

 問 題     

カドミウム及びその化合物に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. カドミウムは白色で光沢のある金属であり、その沸点は767℃である。
  2. カドミウムの化合物として、塩化カドミウム、酸化カドミウム、シアン化カドミウムなどがある。
  3. 閃亜鉛鉱には少量の硫化カドミウムが含まれている。
  4. 閃亜鉛鉱の焙焼炉から排出されるダスト中には、1~21%の硫酸カドミウムが含まれている。
  5. 硫化カドミウムを主成分とするカドミウムイエローは、色調が鮮明で着色性、耐熱性に優れた顔料である。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

カドミウムの性質や特徴に関する問題はたびたび出題されている頻出テーマです。正解の選択肢以外の内容についてもしっかりと押さえておくことをお勧めします。

(1)は正しいです。「白色で光沢のある金属」というのは最重要事項で頻出です。また、沸点は鉛や亜鉛、マンガン、銅よりも低いというのも併せて覚えておきたい知識です。

(2)も正しいです。塩化カドミウム、酸化カドミウム、シアン化カドミウムのほか、(3)にある硫化カドミウムも有名です。

(3)も正しいです。代表的な亜鉛鉱である閃亜鉛鉱中には、0.3%程度の割合で硫化カドミウムが含まれています。

(4)が誤りです。(1)の解説の通り、カドミウムは多くの金属類よりも沸点が低く、比較的低温で揮散します。そのため、固体として焙焼炉に残存することはほとんどなく、ほぼ全てダストとして排出されます。その結果、ダスト中には1~21%のカドミウムが含まれることになります。

よって、「硫酸カドミウム」が誤りで、ここは「カドミウム」とするのが正しいです。

(5)は正しいです。カドミウムイエローは硫化カドミウムを主成分とする黄色の顔料で、着色性、耐熱性に優れています。

以上から、正解は(4)となります。

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