R5年 大気概論 問3 問題と解説

 問 題     

大気汚染防止法第17条に規定する事故時の措置に関する記述中、ア~ウの(  )の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

ばい煙発生施設を設置している者又は物の合成、分解その他の化学的処理に伴い発生する物質のうち人の健康若しくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるもの(以下「( ア )」という。)を発生する施設(ばい煙発生施設を除く。以下「( イ )」という。)を工場若しくは事業場に設置している者は、ばい煙発生施設又は( イ )について故障、破損その他の事故が発生し、ばい煙又は( ア )が大気中に多量に排出されたときは、直ちに、その事故について応急の措置を講じ、かつ、その事故を速やかに( ウ )に努めなければならない。

  •  ア       イ         ウ
  1. 指定物質  指定物質排出施設  復旧するよう
  2. 特定物質  特定施設      再発を防止するよう
  3. 特定物質  特定施設      復旧するよう
  4. 有害物質  指定物質排出施設  復旧するよう
  5. 指定物質  指定物質排出施設  再発を防止するよう

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

問題文は、大気汚染防止法第17条1項です。この項の本文は以下の通りとなります。

ばい煙発生施設を設置している者又は物の合成、分解その他の化学的処理に伴い発生する物質のうち人の健康若しくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるもの(以下「特定物質」という。)を発生する施設(ばい煙発生施設を除く。以下「特定施設」という。)を工場若しくは事業場に設置している者は、ばい煙発生施設又は特定施設について故障、破損その他の事故が発生し、ばい煙又は特定物質が大気中に多量に排出されたときは、直ちに、その事故について応急の措置を講じ、かつ、その事故を速やかに復旧するように努めなければならない。

( ア )について、選択肢にある3つの用語の説明は以下の通りです。

  • 指定物質:人の健康に係る被害を防止するため、早急に排出を抑制しなければならない物質。ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質が定められています。
  • 特定物質:人の健康もしくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるもの。ベンゼン、アンモニアなど28物質が定められています。
  • 有害物質:大気汚染防止法施行令で定められた、以下の5物質のこと。
    • カドミウム及びその化合物
    • 塩素及び塩化水素
    • ふっ素、ふっ化水素及びふっ化珪素
    • 鉛及びその化合物
    • 窒素酸化物

よって、( ア )には「特定物質」が入ります。上記のいずれも重要な用語なので、区別して覚えておいてください。

( イ )について、特定物質を発生する施設を「特定施設」といい、指定物質を発生する施設を「指定物質排出施設」といいます。今回は( ア )が「特定物質」なので、( イ )には「特定施設」が入ります。

( ウ )について、選択肢には「復旧するよう」と「再発を防止するよう」がありますが、文章の趣旨から考えると、事故が起こった直後にどのような対応をするべきなのか…といった話であることがわかります。

事故発生時には、まず応急措置と復旧が求められます。その後、落ち着いてから再発防止対策を講じることになるため、( ウ )には「復旧するよう」を入れるのが適切であると判断できます。

以上から、( ア )は「特定物質」、( イ )は「特定施設」、( ウ )は「復旧するよう」となるので、正解は(3)です。

コメント

  1. 京男児左腕 より:

    要点だけを簡潔明瞭に書いてもらっているので助かる。また必須問題か捨て問題かの判断記述
    も大いに助かる。