問 題
水生生物の保全に係る水質環境基準項目及び要監視項目に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 環境基準として、全亜鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩について基準値が設定されている。
- 河川における環境基準として、2016(平成28)年に、底層溶存酸素量(底層DO)が追加された。
- 湖沼における全亜鉛の環境基準値は、0.03mg/L以下である。
- 水生生物の保全に係る要監視項目には、クロロホルム、フェノールなど、6項目が設定されている。
- 水生生物の保全に係る要監視項目の指針値は、水域と類型とに応じて設定されている。
正解 (2)
解 説
(1)は正しいです。水生生物の保全に係る環境基準項目は以下の4項目が定められています。
- 全亜鉛
- ノニルフェノール
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩
- 底層溶存酸素量
ここでは4つ目の底層溶存酸素量が書かれていませんが、文中で「3項目のみ」と限定されているわけではないので、特におかしな記述ではありません。また、底層溶存酸素量については選択肢(2)で触れられています。
(2)が誤りです。以前は水生生物の保全に係る環境基準項目は3項目でしたが、平成28年に底層溶存酸素量(底層DO)が追加されました。なお、測定地点は湖沼と海域であり、河川は対象外です。
よって、(2)の冒頭の「河川」が誤りで、正しくは「湖沼及び海域」となります。
(3)は正しいです。全亜鉛の基準値は、河川と湖沼では0.03mg/Lで、海域については生物A類型が0.02mg/L以下、生物特A類型は0.01mg/L以下となります。
(4)も正しいです。水生生物の保全に係る要監視項目は、以下の6項目が定められています。
- クロロホルム
- フェノール
- ホルムアルデヒド
- 4-t-オクチルフェノール
- アニリン
- 2,4-ジクロロフェノール
(5)も正しいです。環境基準項目にしても要監視項目にしても、ある項目(全亜鉛とかクロロホルムとか)なら基準値はいくつと、1つの値に決まっているわけではありません。
海域と河川と湖沼によって基準が異なる上、海域の中でも水生生物の生息状況の適応性に応じてさらにいくつかの類型に分けて、それぞれの類型に対して基準値が設定されています。河川や湖沼についても同様に、いくつかの類型があり、それぞれで基準値が異なります。
以上から、正解は(2)となります。
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