R5年 水質概論 問8 問題と解説

 問 題     

地下水汚染の原因についての記述として、誤っているものはどれか(環境省:令和2年度地下水質測定結果による)。

  1. 工場・事業場が汚染原因と特定又は推定された事例のうち、その汚染に係る原因施設等の種別として、最も多かったものは貯油施設である。
  2. 工場・事業場からの汚染に係る原因行為の種別のうち、原因が特定されているものとしては、汚染原因物質の不適切な取り扱いによる漏えいが最も多い。
  3. 重金属等(シアン、ふっ素及びほう素を含む)に分類される項目に関する汚染は、工場・事業場に起因するものが1割程度ある。
  4. 揮発性有機化合物(VOC)に分類される項目に関する汚染は、主に工場・事業場の排水、廃液、原料等に起因するものである。
  5. 硝酸性窒素や亜硝酸性窒素による地下水汚染の原因としては、施肥による影響が最も大きいと考えられている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

地下水の環境基準達成率などに関する問題は頻出ですが、今回は地下水汚染の原因が問われているので、このパターンは珍しい出題といえます。出題傾向からみると難易度の高い部類だといえるため、個人的にはこの問題は捨て問題扱いにしてしまっても構わないと思います。

参考までに以下に解説を示しますが、上記の通り捨て問題と考えてもいいので、軽い気持ちで読み流してください。

(1)が誤りです。原因施設等の種別では、1位が「有害物質使用特定施設」、2位が「貯油施設」となります。

(2)は正しいです。原因行為の種別では、1位が「汚染原因物質の不適切な取り扱い」、2位が「施設の破損等による汚染原因物質の漏洩事故」となります。

(3)も正しいです。重金属等の汚染原因は、1位が「自然的要因」で8割程度、2位が「工場・事業場」で1割程度です。

(4)も正しいです。記述の通り、VOCの汚染原因は、主に工場・事業場の排水、廃液、原料等に起因するものです。

(5)も正しいです。硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の汚染原因は、「過剰な施肥」が最も多く、「家畜排せつ物の不適正処理」や「生活排水の地下浸透」が続きます。

以上から、正解は(1)となります。

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