R5年 水質概論 問6 問題と解説

 問 題     

過去3年間(平成30年度~令和2年度)の公共用水域の水質の環境基準(健康項目)に関する記述として、誤っているものはどれか(環境省:公共用水域水質測定結果による)。

  1. 環境基準の達成率は、99%以上であった。
  2. 非達成率の高い上位2項目は、ふっ素とひ素であった。
  3. 超過地点を水域別にみると、大半が海域であった。
  4. カドミウム、鉛、ひ素の環境基準超過の原因の一つとして、休廃止鉱山廃水が考えられる。
  5. 環境基準超過の主な原因は、ふっ素の場合、自然由来と考えられる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)は正しいです。健康項目(27項目)の達成率は近年横ばいで推移していて、河川・湖沼・海域を合わせた全体で99%を少し超える程度です。

(2)も正しいです。非達成率の高い上位2項目は、年によらず「ふっ素」と「ひ素」で、それぞれ約0.5%ずつです。非達成率が近いため、どちらが1位になるかは年によって異なります。

(3)が誤りです。(1)の解説の通り、健康項目の達成率は、河川・湖沼・海域を合わせた全体で99%ですが、非達成のうち多くは河川であり、わずかに湖沼もあります。一方、海域は100%達成している年がほとんどです。つまり、達成率の順番は「河川 < 湖沼 < 海域」となります。

よって、(3)の「海域」が誤りで、正しくは「河川」となります。

(4)はあまり重要な事項ではありませんが、文章に特に矛盾もなく、正しい内容です。

(5)も正しいです。ふっ素は産業排水にも多少なりとも含まれていますが、大半は自然由来です。

以上から、正解は(3)となります。

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