R5年 水質概論 問3 問題と解説

 問 題     

水質汚濁防止法第12条に規定する排出水の排出の制限に関する記述中、ア~エの(  )の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

排出水を排出する者は、その( ア )が当該( イ )の( ウ )において( エ )に適合しない排出水を排出してはならない。

  •  ア      イ     ウ     エ
  1. 有害物質  指定事業場  敷地境界  排水基準
  2. 汚染状態  指定事業場  敷地境界  排水基準
  3. 汚染状態  特定事業場  排水口   排水基準
  4. 有害物質  指定事業場  排水口   排除基準
  5. 汚濁物質  特定事業場  排水口   排除基準

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

( ア )は日本語の問題ですが、まず「その( ア )」というのを問題文と選択肢から当てはめると次のようになります。

  • 有害物質が~基準に適合しない
  • 汚染状態が~基準に適合しない
  • 汚濁物質が~基準に適合しない

上記のどれが文章として自然であるかを考えると、水質汚濁防止法では有害物質や汚濁物質を一切排出できないわけではなく、一定の濃度を超えるものを排出してはいけないと決まっているだけなので、もし「有害物質」や「汚濁物質」を使うのであれば、これらの”濃度”であることを示す必要があります。

一方で、「汚染状態」であれば、この言葉自体が”濃度”の意味合いを含んでいるため、自然な文章として成立します。

よって、( ア )には「汚染状態」を入れるのが妥当だと判断できます。

( イ )に関して、水質汚濁防止法で規定され、規制の対象となる施設のことを「特定施設」といい、特定施設を設置している事業場のことを「特定事業場」といいます。この試験に関係する法律では、「指定事業場」という用語は一切登場しません。

よって、( イ )には「特定事業場」が入ります。

( ウ )に関して、騒音や悪臭などでは事業場の内部と外部の境目が「敷地境界」であるため、騒音規制法や悪臭防止法では敷地境界のポイントで規制基準に適合しているかどうかを判定します。

一方、水に関しては事業場の内部と外部の境目が「排水口」となるため、汚濁防止法では排水口のポイントで規制基準に適合しているかどうかを判定します。

よって、( ウ )には「排水口」が入ります。

( エ )に関して、「排水基準」は水質汚濁防止法で用いられる用語で、海や川などの公共用水域に排水する際の水質基準のことを指します。一方、「排除基準」は下水道法で用いられる用語で、下水道に排水する際の水質基準のことを指します。

よって、今回は水質汚濁防止法の話なので、( エ )には「排水基準」が入ります。

以上から、正解は(3)となります。

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