問 題
水質汚濁防止法に規定する総量規制基準に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。
法第4条の5第1項の総量規制基準は、化学的酸素要求量については次に掲げる算式により定めるものとする。
Lc=Cc・Qc×10-3
この式において、Lc、Cc及びQcは、それぞれ次の値を表すものとする。
- Lc:排出が許容される汚濁負荷量(単位 1日につきキログラム)
- Cc:(1)都道府県知事が定める一定の化学的酸素要求量(単位1リットルにつきミリグラム)
- Qc:特定排出水(排出水のうち、(2)特定事業場において(3)事業活動その他の人の活動に使用された水であって、専ら(4)冷却用、(5)洗浄用その他の用途でその用途に供することにより汚濁負荷量が増加しないものに供された水以外のものをいう。)の量(単位 1日につき立方メートル)
正解 (5)
解 説
問1から見慣れないタイプの出題で、この年の受験者は面食らう方が多かったかもしれませんが、決して捨て問題ではありません。本問に対して正確に解答できる知識を持っている方は少ないと思いますが、どの選択肢が誤りであるかを選ぶだけなら、案外簡単です。
先に正解を示すと、(5)の「洗浄用」が誤りで、正しくは「減圧用」となります。
ここで、(4)と(5)を含む文章には「専ら(4)冷却用、(5)洗浄用その他の用途でその用途に供することにより汚濁負荷量が増加しないものに供された水」と書かれています。
冷却用の水(冷却水)は、何かを冷やすのに使う水であり熱交換を行っているだけなので、冷却水そのものの水質は変化しません。言い換えれば、冷却水の汚濁負荷量は増加しません。
一方で、洗浄用の水(洗浄水)は、汚れた何かを洗浄するために使われるので、洗浄水そのものの水質は悪くなります。つまり、洗浄水の汚濁負荷量は増加していきます。
よって、(4)の「冷却用」はこの文章の中で成立しますが、(5)の「洗浄用」は文章に矛盾が生じてしまうことになります。また、本来(5)に入るべき「減圧用」であれば、減圧によって水質は変化しないため、この文章が問題なく成立します。
以上のように考えると、正解は(5)だと判断することができます。
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