問 題
製紙工場における排水処理工程に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 処理の対象とする水質汚濁物質は、BODあるいはCOD成分とSSである。
- 排水は初沈槽において繊維分などの粗いSSを除去した後に活性汚泥曝気槽に送られる。
- 活性汚泥処理では、窒素、りんを添加する。
- 活性汚泥処理水は、消毒剤を添加した後に凝集沈殿槽に送られる。
- 脱水機のろ水は排水処理工程の入口に戻す。
正解 (4)
解 説
(1)は正しいです。製紙工場から生じる水質汚濁物質といえば、BOD(またはCOD)とSSです。
(2)はややマイナーな記述ですが、正しいです。製紙工場排水の処理では、活性汚泥処理と凝集沈殿処理の2段処理が主に使われています(これは重要事項)。しかし、より正確には、活性汚泥処理の前処理として、前段にある初沈槽で繊維分などの粗いSSを除去しています。
(3)も正しいです。活性汚泥処理では、栄養源である窒素とりんを添加します。
(4)が誤りです。凝集沈殿槽の直前で添加するのは、「消毒剤」ではなく「凝集剤」です。凝集剤としては、硫酸ばん土と陰イオン系高分子凝集剤が多く用いられます。
(5)は正しいです。凝集沈殿槽で沈殿したスラッジは、高分子凝集剤を添加した後、ベルトプレス脱水機で脱水し、ろ水は全量を排水処理工程の入口に戻して再処理を行います。
以上から、正解は(4)です。
コメント